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孤独な関係

私は寂しい。孤独な人間だ
常に孤独であり、その状況を自分で作り出してしまってる。
そして、その気持ちは誰にも伝わらないと思っている。











最近、ビジネス雑誌を読んでると、仕事上の関係にも人情を忘れず相手の事を気遣うことが重要だとして推されているのをよく見かけるようになった。
なんでも、仕事上だけの関係だから要件だけを済ませれば良し、というやり方だけでは機械的な人として捉えられてしまい、いくら仕事ができても損することが多くなるらしい。
ジネスメールひとつとっても二言、三言仕事とは直接関係のない言葉を付け加える。これだけで印象が変わり相手の自分の印象も良くなる。
印象が良くなれば評価される機会も増え、社会的にも一石二鳥である。



機械は「はい、いいえ」といった此方の問いかけにしか答えてくれない。当たり前だ
だから要件を済ます以上の関係は築けない。
だが人間は違う。何をするにもそこに何らかの感情が付きまとう。
そして機械的な受け答えよりも、感情の方に目が行く。機械以上の関係になるのだ


人は誰しも相手の感情に注目しながら生活している。
泣いている、怒っている、喜んでいるといった相手の感情を予測しながら反応を伺うのだ。
相手の感情は理解することは出来ないが、予測することは出来る。




感情こそ人の行動の原動力なのだ。





「あの人は、あの時私に対してどういう印象を持っただろうか。」

「自分に対する印象を良くするためには、普段どんな発言をすればいいか。」
「こう発言したらあの人は喜んでくれるだろうか。笑ってもらえるだろうか。」




誰だって考える。
人として生きるなら相手の情緒的な反応をうかがうのは当たりまえだ。
どんな簡単な取引や、社会的な振る舞いをしなければいけない場でも、相手の感情はいつ何時でも気にすることだ。
相手の感情を気遣ってこそフォローする言葉も生まれるし、周囲から
”分かっている人間”
”気が利く人間”

だと評価される。

人間だれしも、"分かってくれる相手"が身近に居るというのは気分が悪いものではない。





相手の感情を予測し、良い方向に持っていくことが重要なのはここまでで分かっていただけたと思う。
それでは、相手の感情を分かるためにはどうすればいいのだろう?



経験と人は言うのかもしれない。
たしかに相手の感情を予測するには、色んな人を見て自分の中である程度考えを持っておくのが重要になるだろう。

間違ったことを言って相手を怒らせてしまった、じゃあ次からはそういった発言は控えよう。
こう行動したら相手が喜んでくれた、じゃあ次はもっと喜ばせてあげよう。


相手の反応を自分なりに解釈して次に生かす。
「場数を踏んでいる」「手馴れている」人は期待されやすいだろう。
色んな相手のパターンを知っているからだ。






※余談だが、私は大学・大学院と心理学を専攻している(厳密にいうと社会心理学専攻)。
周りからすると「相手の性格がわかるようになる学問」「うつ病を治療できる人」などといった見解があるらしい。
だが私を含め心理学を目指した受験生が、入学して必ずぶつかる壁がある。

心理学は心を読むものではないという壁、「予想していたのと違った」という壁だ。
たしかに心理学は心を題材として取り扱ったものだが、あくまでデータを集めて傾向を予測する点は他の学問と何ら変わらない。
心を予測することすらあれ読むことなど出来るはずがない。



そして次に"うつ病を治療できる人"
これも正直言って不可能だ。"治療"っていう言い方がまず間違ってる。
確かに”カウンセラー”は心理のエキスパートではあるが....あくまで治療者じゃない、支援者の立場なのだ。
うつ病や躁鬱傾向のある人、精神的に何らかのリスクを抱えている人を相手に長期的な視野で共に良くなっていこうということを志す職業だ。


この職業は経験を最も重要視する。
普通の医療と比べると心の医療は歴史が浅いし、精神科医のように抗うつ剤や催眠薬などの薬を処方することもしない
だからカウンセラーを目指す場合は、たくさんの患者と接してケースを多数集めることが経験として求められるのだ。








普段人と接するときもカウンセラーも実際のところ根底は同じなのである。
つまり相手の感情を考えるときは、自分の持っているさまざまなパターンに置き換えて予測するのだ。

どういう反応をしていいかわからない....
どう言ってあげれば良いのかわからない....


といったことは、相手の感情が自分の持ってるパターンから外れていることから起こりうる。





この場合はどうすればいいだろう?


あなたは、話していた相手が急に怒り出してしまい困り果ててしまいました。
失礼な発言をした心当たりもありませんし、自分としては楽しくしゃべっていたつもりです。
何故その人が怒り出したのかぜんぜんわかりません。




ためしに考えてみてくれませんか?
あなたにも経験があるだろう、きっと腐るほどあるでしょう。










・・


・・・



・・・・









慣れた人なら何とか相手を分かるよう努力するといった答えはけっして生まれないだろう。
当然だ。"わからないものはわからない"からだ。
そんな努力より、相手の気持ちに触れずになだめるようにした方が断然良い。
そうすれば、一時かもしれないがその場はなんとか収まるかもしれない。
次会うときは相手が立ち直ってる可能性だってある。



では逆に、それでも相手を分かるように努力したらどうなるだろう。
努力したつもりで相手の気持ちが分かったように振る舞って、かえって相手を更に傷つけてしまうかもしれない。




もし相手が親しく、いつも一緒に居る関係とかならば別なのだろう。
好きな相手が落ち込んでたら、何とか自分が気持ちを分かってあげて立ち直って欲しいと思う。



だが、相手を分かってあげるためにはやはり多大な労力を伴うのだ。


上のカウンセラーの話で言うならば、患者と意思を通わすためには(関係、ラポールを形成するためには)カウンセラーは気の遠くなるような時間を患者と共に過ごさなければならない。
患者からすれば、見知らぬ初対面の相手に自分の、増して人前で言えないような心の悩みを打ち明けることはそうそうしない。本当の気持ちへの壁は果てしなく高いのだ。

カウンセラーでなくてもこれは同じことが言える。
長い付き合いでないと、よほど普段の相手のことを知らない限り分かってあげることは出来やしない。






それでも相手を分かりたい。自分を分かってほしいと思う....


そんなの言わずもがな、人として当然だ。
どうせ誰も分かってくれないと卑屈になるのは、誰かに分かってほしいという気持ちが根底にあるからだ。
でも、思っていることは滅多に伝わらない。
24時間、共に過ごすわけでもない相手の、本当の気持ちを知った上で接するなんてことは不可能である。


だって、そんなことしなくたって会話は出来るもの。
相手のちょっとした情報をかいつまんで、それを生かすように心がければ良好な人間関係なんて築けるもの。
そこに本当の自分なんて必要ない




断っておくと、決してネガティブな意味で言っているのではない。
所詮、自分が相手のすべてをわかる、相手が自分のすべてを知るというのは不可能なのだ。これは事実である。

たとえ、いくら自分で自分の気持ちを一生懸命話したとしても、相手にどう伝わったかは相手にしかわからない
ちょっと見せた本当の自分の一面が、相手の持っている自分のイメージを壊してしまうことすらある。






ネットなんていい例だ。
最近になって、ネットではさまざまな交友関係を作れるようになった。
歴史を追えば、無線や電話といったものもネットに含まれるのだが.....ここではとりあえずSNSやネトゲに限ろう。

ネトゲやSNSはRP(=ロールプレイ)が非常に頻繁に行われる。
ロールプレイとは、自分の思った通りにキャラを演じ切ることだ。
ネットでは相手に自分のほんの一面しか見せない。それも、文章だけの簡単な情報だけだ。
文章なら編集しやすいし、自分の狙い通りの言葉にすることができる。




これがかなり簡単で、現実世界ではありえないくらい人間関係が築けているように見える。





これがネットの落とし穴の面白いところ。
この錯覚に陥ってる人は、ネットで見せる自分の一面がいかに小さいか頭から離れてしまっている。
あくまで、ネットで知った相手の情報はごくわずかなものであり、実際会ったりしない限り相手は想像上の人物像でしかない。
それも都合良く、"自分にとって良い人"であるように解釈されている。人によっては完ぺきな人物像だ。



そして親しくなって深い話をしたり、オフ会などで会ったとする。
あなたはまったく会ったことのないネットの知り合いの、まったく想像していなかった相手のネガティブな一面を目の当たりにすることとなる。
その時、ネット上で積み上げていた相手の人物像はどうなっただろう。




「本当の相手を知れて嬉しい」となればそれで良いのかもしれないが、たいていはがらがらと崩れたイメージに一度失望するのではないだろうか?
もちろんそれでも関係が続けられればそれでいい。

しかし、もはやイメージの変わってしまった"つまんない人"とこの先接するメリットはあるのだろうか?
よほど友達だと思っているか、下心がない限り離れていくのではないか。
そしてそれは....ネットだけに限らないのではないか。





自分を上手く表現するのも、生きていくために必要な手段だと私は思っている。
それも上手く表現するスキルがなければならない。
本当の自分を伝えるのではない。相手が理解しやすい簡単な自分を伝えるのだ。
そして相手にとって理解しやすい自分が本当の自分と思えれば、これはもう人付き合いが楽しくてしょうがなくなるだろう。





だから、私は常に孤独なのだ。

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